葬儀の基礎知識と準備

葬儀の服装|もう迷わない!葬儀・お通夜のバッグ男女マナー

葬儀・お通夜の服装|もう迷わない!葬儀のバッグ男女マナー
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宮坂
宮坂
突然の訃報を受け、お通夜や葬儀に参列することになったとき、「普段使っている黒いバッグでも大丈夫?」「どんな素材やデザインを選べば失礼にならないの?」「そもそも男性はバッグを持っていいの?」など、多くの方が悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな葬儀のバッグに関するあらゆる悩みを解決します。女性用・男性用に分け、それぞれの服装に合わせたバッグの選び方から、具体的なマナー、中に入れておくべき持ち物リストまで、これさえ読めばもう迷わない、というレベルで徹底的に解説します。

故人を偲ぶ気持ちを何よりも大切にしながら、遺族の方々にも失礼のないよう、自信を持って参列するための準備を一緒に整えていきましょう。

そもそも葬儀にバッグは必要?男女の基本スタンス

葬儀におけるバッグの基本的な考え方を男女別に確認しておきましょう。実は、女性と男性ではバッグに対するマナーの前提が少し異なります。

女性の場合:フォーマルバッグは必須アイテム

女性が葬儀に参列する場合、フォーマルなバッグを持つことが基本的なマナーとされています。香典、数珠、ハンカチ、財布など、身の回りのものをスマートに持ち運ぶために必要不可欠です。

洋装・和装を問わず、喪服に合わせたフォーマルバッグを一つ用意しておくと、いざという時に慌てずに済みます。服装だけでなく、バッグも含めて「喪服」と捉えるのが正しい考え方です。

普段使いのカジュアルなバッグで代用するのは、基本的にはマナー違反となり

男性の場合:基本は「手ぶら」が正式マナー

一方、男性の場合は、バッグを持たずに「手ぶら」で参列するのが最も正式なマナーとされています。香典(袱紗に包んだ状態)、数珠、ハンカチ、財布などの必需品は、スーツの内ポケットやズボンのポケットに収めるのが基本です。

とはいえ、遠方からの参列で荷物が多い場合や、仕事の都合でどうしても持ち物がある場合など、バッグが必要になるケースもあるでしょう。その場合は、葬儀の場にふさわしい、マナーに沿ったバッグを選ぶ必要があります。

【女性編】葬儀の服装に合うバッグの選び方とマナー

女性の葬儀の服装に合わせるバッグ選びは決して難しくありません。葬儀用のフォーマルバッグを選ぶ上で最も重要な、5つの基本ルールをご紹介します。このポイントを守ることで、マナー違反になることを防げます。

①素材:光沢のない布製が最適解

葬儀用のバッグで最もふさわしい素材は、光沢のない布製(ポリエステル、サテン、トリアセテートなど)です。これは、殺生を連想させる動物の革や、華美な印象を与える光沢のある素材を避けるという考え方に基づいています。布製のバッグは、控えめで落ち着いた印象を与え、厳かな場に最適です。

革製品については後ほど詳しく解説しますが、基本的には避けるのが無難です。また、ナイロンやビニールなどのカジュアルすぎる素材も葬儀の場にはふさわしくありません。

②色:基本は「黒」

バッグの色は、喪服と同様に「黒」が基本です。光沢のない、しっとりとした深い黒を選びましょう。喪服には準喪服として濃紺やダークグレーのものもありますが、バッグや靴などの小物は黒で統一するのが正式なマナーです。

服装が黒以外の場合でも、小物は黒を選ぶことで、全体が引き締まり、フォーマルな印象になります。バッグの色は、喪服と同様に「黒」が基本です。光沢のない、しっとりとした深い黒を選びましょう。

喪服には準喪服として濃紺やダークグレーのものもありますが、バッグや靴などの小物は黒で統一するのが正式なマナーです。服装が黒以外の場合でも、小物は黒を選ぶことで、全体が引き締まり、フォーマルな印象になります。

③デザイン:シンプルイズベスト!金具や装飾は避ける

デザインは、装飾のないシンプルなものが絶対条件です。リボンやフリル、刺繍などの飾りがついているものは避けましょう。

特に注意したいのが「金具」です。バックルや留め具、ブランドロゴなどが、ゴールドやシルバーでキラキラと光るものはマナー違反です。金具がある場合は、黒くコーティングされているものや、つや消し加工されている目立たないものを選んでください。バッグ全体がシンプルであっても、金具一つで印象が大きく変わってしまうことを覚えておきましょう。

④大きさ:小ぶりなハンドバッグが基本

バッグの大きさは、香典、数珠、財布、ハンカチなど、必要最低限のものが入る小ぶりなサイズが適切です。大きなバッグはカジュアルな印象を与えてしまうだけでなく、焼香の際などに邪魔になる可能性もあります。

目安としては、膝の上に置いたときに収まりがよいサイズ感です。大きすぎず、小さすぎない、品のある大きさのハンドバッグを選びましょう。

⑤持ち手の種類:ワンハンドルか、持ち手のないクラッチタイプ

持ち手のデザインも重要です。持ち手が1本の「ワンハンドル」タイプや、持ち手のない「クラッチバッグ」タイプがフォーマルとされています。持ち手が2本ある「ツーハンドル」も許容範囲ですが、あまり長くて肩にかけるショルダータイプはカジュアルな印象になるためNGです。

クラッチバッグを持つ場合は、片手で抱えるように持ちます。脇に挟む持ち方は、少しだらしない印象に見えることもあるため注意しましょう。

避けるべきデザイン具体例

基本マナーと合わせて、避けるべきバッグの具体例を知っておくと、より選びやすくなります。

• 光沢のある素材: エナメル、サテンでも光沢が強いもの
• 動物の革や柄物: クロコダイル、パイソン、オーストリッチなどの型押しや本革、ヒョウ柄などのアニマル柄
• カジュアルな素材: ビニール、ナイロン、帆布(キャンバス地)、デニム
• 派手な装飾: 大きなリボン、フリル、レース、ビーズ、スパンコール、派手な金具
• 形状: トートバッグ、ショルダーバッグ、リュックサック、ポシェット
• ブランドロゴが目立つもの: 一目でブランドがわかる大きなロゴやモノグラム柄

これらのバッグは、いくら色が黒であっても葬儀の場にはふさわしくありません。普段使いのバッグとの違いをしっかり理解しておきましょう。

荷物が多い時に活躍!サブバッグの選び方とマナー

「フォーマルバッグだけでは荷物が収まらない」というケースは少なくありません。特に、遠方からの参列や、子連れの場合、また冬場でコートやマフラーなどの手荷物がある場合などです。そんな時に役立つのが「サブバッグ」です。

サブバッグの選び方(素材、色、サイズ)

サブバッグも、メインのフォーマルバッグと同様にマナーを守る必要があります。

• 色: 黒
• 素材: 光沢のない布製(ポリエステルなど)
• デザイン: 無地でシンプルなもの
• サイズ: A4サイズが収まる程度の大きさが一般的。着替えや書類などを入れるのに便利です。
• 形状: 自立するタイプだと床に置いたときに便利です。

紙袋をサブバッグ代わりにするのは避けましょう。たとえブランドショップのきれいな紙袋であっても、カジュアルであり、耐久性にも欠けます。葬儀用の黒いサブバッグも、フォーマルウェア売り場などで手軽に購入できますので、一つ持っておくと重宝します。

サブバッグの持ち運びと置き場所のマナー

葬儀の際、サブバッグは会場に入る時には手に持って入ります。受付にクロークがあれば、そこで預けるのが最もスマートです。もしクロークがない場合は、自分の席まで持って行き、椅子の下や足元にそっと置くようにしましょう。

背もたれに立てかけたり、膝の上に置いたりするのはマナーとして好ましくありません。焼香の際には、サブバッグはそのまま席に置いておき、フォーマルバッグと数珠だけを持って焼香台へ進みましょう。

【男性編】葬儀の服装に合うバッグの選び方とマナー

基本は手ぶらですが、どうしてもバッグが必要な場合は、以下の3つのポイントを厳守して、悪目立ちしないものを選びましょう。

①種類:クラッチバッグやセカンドバッグを選ぶ

男性が葬儀の場で持っても許容されるバッグは、片手で持てる小ぶりな「クラッチバッグ」や「セカンドバッグ」に限られます。持ち物が少ない場合は、A4サイズの書類ケースのような薄いタイプでもよいでしょう。

重要なのは、あくまで「荷物を一時的に入れておくためのもの」という控えめな姿勢です。存在感のある大きなバッグは避けなければなりません。

②素材と色:光沢のない黒が基本

男性が葬儀でバッグを持つ場合は、光沢のない布製のものを選ぶのが最も望ましいとされています。革製のバッグは動物の命に関わるイメージがあるため、本来は避けるべきとされています。

ただし、やむを得ず革製を使う場合は、シボ(表面の凹凸)や光沢が目立たず、金具も控えめな、非常にシンプルなデザインのものを選ぶのが最低限のマナーです。バッグの色は黒が基本で、他の色は控えるようにしましょう。

③デザイン:装飾のないシンプルなものを

デザインも、とにかく「無地でシンプル」であることが絶対です。余計な装飾や目立つステッチ、大きなブランドロゴなどは一切ないものを選びます。留め具の金具なども、できるだけ目立たないものが望ましいです。

男性が持つべきでないバッグの種類

男性が普段使っているバッグの多くは、葬儀の場ではマナー違反となります。特に注意したいのが以下のタイプです。

仕事で使うブリーフケースやビジネスバッグは、たとえ黒でシンプルであっても葬儀にはふさわしくありません。ビジネスバッグは「仕事」を連想させるアイテムであり、故人を偲ぶプライベートな場に持ち込むのは失礼にあたると考えられています。

仕事帰りに直接お通夜へ向かう場合でも、可能であれば駅のコインロッカーなどに預けるようにしましょう。

リュックサック、トートバッグ、ショルダーバッグ、ボディバッグといったカジュアルなバッグは完全にマナー違反です。これらは普段使いのアイテムであり、フォーマルな場である葬儀には全くそぐいません。

男性の手ぶら参列術

男性の最も正式なスタイルは手ぶらです。スーツのポケットを上手に活用しましょう。

• 内ポケット(左): 袱紗に包んだ香典
• 内ポケット(右): 財布(薄型のもの)、スマートフォン
• ズボンのポケット(右): ハンカチ
• ズボンのポケット(左): 数珠、鍵など

ポケットに物を詰め込みすぎると、スーツのシルエットが崩れてしまい、だらしなく見えるので注意しましょう。。

葬儀用バッグの中身リスト|男女共通の持ち物と注意点

必須の持ち物リスト

男女問わず、葬儀に参列する際に最低限必要な持ち物です。

•香典(袱紗に入れるのがマナー)
不祝儀袋に入れた香典は、必ず「袱紗(ふくさ)」に包んで持参します。バッグから直接出すのはマナー違反です。袱紗は、紺、深緑、グレーなどの寒色系か、慶弔両用の紫を選びましょう。

•数珠(念珠)
仏式の葬儀では必須のアイテムです。自分の宗派のものがあればそれを使いますが、なければどの宗派でも使える略式の数珠で問題ありません。貸し借りはしないのがマナーなので、自分のものを用意しましょう。

•ハンカチ・ティッシュ
涙を拭ったり、手を清めたりする際に使います。ハンカチの色は「白」または「黒」の無地のものが基本です。派手な色柄やレースの多いものは避けましょう。

•財布
交通費や万が一の出費に備えて必要です。ただし、派手な色やブランドロゴが目立つ長財布などは避け、バッグに収まりやすいコンパクトでシンプルなものを選ぶと良いでしょう。

•スマートフォン・携帯電話
連絡手段として必要ですが、会場に入る前に必ずマナーモードに設定するか、電源を切りましょう。葬儀中に着信音やバイブ音が鳴り響くのは、最も避けたいマナー違反の一つです。

あると便利な持ち物(女性向け・男性向け)

必須ではありませんが、持っておくと安心なアイテムです。

【女性向け】
• 予備のストッキング: 黒のストッキングは伝線しやすいため、予備をバッグに入れておくと安心です。
• メイク直し道具: 涙で崩れた際のために、パウダーや口紅、綿棒など最小限のものをポーチに入れておくと便利です。ただし、派手な化粧直しは避けましょう。
• 小さなヘアアクセサリー: 髪が乱れた際に使える、黒でシンプルなヘアゴムやヘアピン。
• 常備薬: 必要な方は忘れずに。

【男性向け】
• 名刺: 仕事関係の葬儀の場合、受付で名刺を求められることがあります。
• 黒い靴下: 万が一、汚れたり濡れたりした場合の予備。

よくある質問

お通夜と告別式、バッグは同じでいい?

同じバッグで問題ありません。お通夜も告別式も、基本的な服装マナーは同じです。

革製のバッグは本当にマナー違反?

厳密には、殺生を連想させるため避けるべき、というのが古くからのマナーです。特に、クロコダイルやオーストリッチのように、一目で動物の革とわかるものは明確なマナー違反です。しかし、近年ではマナーも少しずつ変化しており、光沢がなく、金具も目立たないシンプルな牛革のスムースレザーなどであれば、許容される傾向にあります。

ブランドのロゴが入っていても大丈夫?

小さな型押しや、目立たないプレート程度であれば問題ないとされることもありますが、基本的には避けるのが賢明です。一目でわかる大きなロゴや、バッグ全体にモノグラム柄が入っているようなデザインは、故人を偲ぶ場にふさわしくありません。

学生や子どものバッグはどうする?

学生の場合、バッグは学校指定の黒や紺のスクールバッグで問題ありません。キャラクターものや派手なデザインのものは避けさせましょう。未就学児など小さなお子様の場合は、無理にフォーマルなバッグを持たせる必要はありません。

まとめ

葬儀・お通夜における男女のバッグのマナーについて、選び方から持ち物まで詳しく解説しました。

たくさんのルールがあるように感じたかもしれませんが、その根底にあるのは「故人を悼み、遺族に寄り添う」という配慮の心です。華美な装飾を避け、控えめな身なりを心がけることが、何よりも大切なマナーとなります。

この記事を参考に、自信を持って故人との最後のお別れに臨んでいただければ幸いです。一番大切なのは、あなたの弔いの気持ちです。その気持ちをしっかりと届けるためにも、服装や持ち物のマナーを整えて、静かに故人を偲びましょう。