葬儀の流れとマナー

葬儀の服装|【女性向け】葬儀・お通夜で髪型(ミディアム・ロング対応)マナー

葬儀の服装|【女性向け】葬儀・お通夜で髪型(ミディアム・ロング対応)マナー
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宮坂
宮坂
「髪型まで気をつけるべきだった…」と後悔しないために、葬儀にふさわしい女性の髪型マナーを知っておきましょう。

ミディアムヘアやロングヘアは、まとめ方やアレンジによって、清楚にも派手にも見えるため、注意が必要です。

この記事では、顔まわりをすっきりさせる基本の整え方から、ハーフアップ・一つ結び・シニヨンなど具体的なスタイルまで、葬儀の場で好印象を与える髪型を紹介します。

【女性編】葬儀での髪型

顔周りをすっきりさせることの重要性

お辞儀をする機会が多い葬儀では、髪が顔にかかって邪魔にならないよう、顔周りをきれいにまとめておくことが大切です。

長い髪はまとめる、短い髪でもサイドの髪が顔にかかる場合はピンで留めるなど工夫しましょう。これにより、清潔感がアップし、故人や遺族に対して丁寧な印象を与えます。

ヘアアクセサリーの選び方

髪をまとめる際には、ヘアアクセサリーを使用することもあるでしょう。その場合、色は黒で、光沢のない素材、シンプルなデザインのものを選びます。

• ヘアゴム: 黒や濃紺、こげ茶などの目立たない色のシンプルなもの。
• ヘアピン: 黒のアメリカピンやUピンなど、隠せるタイプが望ましいです。
• バレッタ・ヘアクリップ: 黒無地で飾りのないシンプルなもの。小さめのものを選びましょう。
• シュシュ: 布製の黒無地であれば使用可能ですが、ボリュームが出過ぎるものや華美なデザインは避けます。

リボンやカチューシャ、キラキラした飾りがついたもの、べっ甲柄などはNGです。

髪色のマナー

髪色については、黒または暗めの茶色が望ましいとされています。金髪や赤、ピンクなどの明るすぎる髪色は、葬儀の場にはふさわしくありません。

可能であれば、一時的に暗く染め直すか、カラースプレーなどで対応するのが理想です。しかし、急なことで対応が難しい場合は、できるだけ髪をコンパクトにまとめ、悪目立ちしないように配慮しましょう。

無理に黒染めする必要はありませんが、周囲の目を意識して身だしなみに気をつけることがマナーといえるでしょう。

前髪の処理方法

前髪がある場合、目にかからないように注意します。長めの前髪は横に流してピンで留めるか、オールバックにするなどして、お辞儀の際に邪魔にならないようにしましょう。

ぱっつん前髪の場合も、目にかかるようであれば少し横に流すなど工夫すると、よりすっきりとした印象になります。

ミディアムヘアの場合

上品なまとめ髪は、肩につく程度の長さであれば、基本的にはまとめるのがマナーです。清潔感があり、かつ派手にならないアレンジを心がけましょう。

ハーフアップ:簡単なまとめ方と注意点

ミディアムヘアで比較的簡単にできるのがハーフアップです。

1. 耳より上の髪を取り、後ろで一つにまとめます。

2. 結び目は黒のシンプルなヘアゴムを使用し、ゴムが見えないように髪を巻き付けたり、小さな黒いバレッタで隠したりするとより丁寧です。

3. まとめる位置は、耳より下か、後頭部の中央あたりが落ち着いた印象になります。高い位置でのハーフアップはカジュアルに見えるため避けましょう。毛先が遊ばないように、ワックスやスプレーで軽く整えるとよりきれいにまとまります。

低めの位置での一つ結び:シンプルで清楚な印象に

低めの位置での一つ結び:シンプルで清楚な印象に

肩にかかる長さがあれば、低めの位置で一つに結ぶのが最もシンプルで間違いのない髪型です。

1. 髪全体を後ろで、うなじのあたり(耳より下)で一つにまとめます。

2. 黒のシンプルなヘアゴムで結びます。

3. 結び目を隠すために、毛束から少量髪を取り、ゴムに巻き付けてピンで留めると、よりフォーマルな印象になります。

おくれ毛が出ないように、きっちりとまとめるのがポイントです。

編み込みやシニヨンも可能?ミディアム向けアレンジ

ミディアムヘアでも、長さや量によっては編み込みや簡単なシニヨン(お団子)も可能です。ただし、派手にならないように注意しましょう。

• 編み込み
サイドの髪を少量編み込んで後ろでまとめる程度であれば問題ありません。複雑な編み込みや、頭頂部から編み込むようなスタイルは避けましょう。

• シニヨン
短めの髪で作る場合は、低い位置で小さくまとめるようにします。ネットを使うと短い髪でもまとめやすくなります。ボリュームが出過ぎないように注意しましょう。

いずれのアレンジも、あくまで「控えめ」であることを意識し、華美にならないように気をつけましょう。

ロングヘアの場合【お葬式・お通夜対応、簡単お団子など】

ロングヘアの方は、葬儀やお通夜といった厳粛な場において、髪のまとめ方に悩むことが多いかもしれません。長い髪はそのまま下ろしているとだらしなく見えたり、お辞儀や焼香の際に邪魔になったりするため、きちんとまとめるのがマナーです。

ここでは、ロングヘアの方が清潔感を保ちつつ、故人への敬意を表せる、比較的「簡単」にできる「お団子」ヘアなどのまとめ髪をご紹介します。

基本の一つ結び

ロングヘアの場合も、最も基本となるのは低い位置での一つ結びです。これはお葬式でもお通夜でも通用する、最も簡単で間違いのない髪型と言えるでしょう。

1. 髪全体を、耳よりも下の位置、うなじのあたりで一つにまとめます。高い位置でのポニーテールはカジュアルな印象になるためNGです。

2. 黒のシンプルなヘアゴムでしっかりと結びます。飾りのついたゴムは避けましょう。

3.簡単アレンジポイント
• 毛先の処理
結んだ毛先が長く垂れ下がりすぎる場合は、毛先を内側に折り返してもう一度ゴムで軽く結ぶか、毛束をゴムに巻き付けてピンで留めると、よりすっきりと品の良い印象になります。

• 結び目を隠す
少量毛束を取り、ゴムの結び目に巻き付けてアメリカピンで固定すると、より丁寧でフォーマルな雰囲気になります。

「お団子」ヘア(シニヨン)

「お団子」ヘア(シニヨン)

「お団子」ヘア、いわゆるシニヨンは、ロングヘアをすっきりとまとめるのに非常に適しており、葬儀やお通夜の場にふさわしい髪型です。低い位置でコンパクトに作れば、派手にならず上品な印象を与えます。不器用な方でも「簡単」にできる方法があります。

「お団子」ヘアは、きちんと感があり、長時間崩れにくいのがメリットです。また、首元がすっきりするため、暑い時期にも適しています。

基本の簡単お団子(シニヨン)の作り方(ヘアゴムとピンだけでOK)

1. 準備: まず、髪全体をブラシでとかし、まとまりやすくしておきます。必要であれば、少量のワックスやヘアクリームを馴染ませておくと、短い髪の毛が飛び出しにくくなります。

2. 結ぶ: 髪を低い位置(うなじの窪みあたり)で一つに結びます。この時、きつく結びすぎると頭皮が引っ張られて疲れてしまうので、適度な力加減で。

3. ねじって巻き付ける: 結んだ毛束を片方向にしっかりとねじります。ねじった毛束を結び目の根元に、円を描くように巻き付けていきます。

4. 固定する: 毛先をお団子の内側に隠し込み、Uピンやアメリカピンを数カ所から差し込んで、お団子が崩れないようにしっかりと固定します。ピンは外側から見えにくいように、お団子の根元に向かって差し込むのがコツです。

5. 仕上げ: 顔周りや襟足の後れ毛があれば、それらもピンで丁寧に留めます。お団子の表面がボサボサしている場合は、コームで軽く整えたり、少量のヘアスプレーで押さえたりすると綺麗に仕上がります。

お団子ネット(シニヨンネット)活用法

お団子ネットを使うと、髪の長さがまちまちだったり、量が多かったりする場合でも、より「簡単」に、そして綺麗に「お団子」を作ることができます。特に不器用な方や、時間がない時には大変便利です。

1. 結ぶ: 上記と同様に、髪を低い位置で一つに結びます。

2. ネットに入れる: 結んだ毛束をお団子ネット(黒色のシンプルなものを選びましょう)に入れます。

3. 巻き付けて固定: ネットに入れた毛束を結び目の根元に巻き付け、お団子の形を整えながらピンで固定します。ネットのおかげで髪がまとまりやすく、ピンも留めやすくなります。

4. メリット: 短い髪が飛び出しにくく、お団子の形も綺麗に保ちやすいのが特徴です。100円ショップなどでも手軽に入手できます。

お団子の位置は、必ず耳より下、うなじに近い低い位置に作るのが鉄則です。高い位置や頭頂部でのお団子はカジュアルな印象が強く、葬儀の場にはふさわしくありません。

くるりんぱ応用!簡単なのに上品に見えるまとめ髪

近年人気の「くるりんぱ」も工夫次第でお葬式の場でも適した髪型に応用できます。

1. 結ぶ: 髪を低い位置(うなじ付近)で一つに緩めに結びます。

2. くるりんぱ: 結び目の上の髪を左右に分け、その間に毛先を上から通して「くるりんぱ」を作ります。このとき、あまりトップの髪を引き出しすぎないように注意しましょう。

3. 毛先の処理
• 簡単シニヨン風: くるりんぱした毛先を三つ編みにし、それを丸めてくるりんぱの根元あたりでピンで固定します。

• 二重くるりんぱ: 毛先をもう一度くるりんぱの穴に通し、毛先が見えないように内側に隠してピンで固定します。

あくまでシンプルに、ボリュームが出過ぎないように心がけるのがポイントです。

夜会巻き

夜会巻きは非常にフォーマルで品格のあるスタイルですが、綺麗に仕上げるにはある程度の技術と慣れが必要です。

1. 髪全体を後ろで一つにまとめ、しっかりとねじり上げます。

2. 毛先を内側に丁寧に折り込み、Uピンや夜会巻き専用のコーム(黒やべっ甲調のシンプルなもの)で見えないように固定します。

自信がない場合や時間がない場合は、無理に挑戦するよりも、美容院でセットしてもらうか、他の簡単なまとめ髪を選ぶ方が賢明です。

ロングヘアの編み込み

ロングヘアの場合、編み込みを取り入れることも可能ですが、あくまで「控えめ」に、そして「シンプル」にすることが絶対条件です。

• 三つ編み: 低い位置で一つに結んだ後、その毛束を一本の三つ編みにして毛先をゴムで留める程度であれば、清潔感があり問題ありません。その三つ編みを丸めてお団子にするのも良いでしょう。

• サイドのアクセントとして: 顔周りの髪が落ちてこないように、サイドの髪を少量ねじったり、細く編み込んだりして後ろでまとめる程度であれば許容範囲です。

フィッシュボーンやウォーターフォール、編み下ろしのような凝ったデザインや、ルーズで華やかな印象を与える編み込みは、お葬式やお通夜の場には完全に不適切ですので避けましょう。

お通夜での髪型について

お通夜の場合、基本的なマナーは葬儀の時と変わりありません。清潔感を保ち、顔周りをすっきりとさせ、低い位置でまとめるのが原則です。

急な訃報で駆けつける場合など、凝ったヘアアレンジをする時間がないことも多いでしょう。その場合は、無理せず「簡単」な一つ結びやお団子で構いません。

ロングヘアの方が特に避けるべき髪型

以下については、葬儀の場ではふさわしくないので、避けるようにしましょう。

• 高い位置でのポニーテールやお団子
• ハーフアップ(ロングの場合、下ろした髪が広がりやすい)
• 凝った編み込み、ルーズすぎるアレンジ、過度なウェーブやカール
• 髪を完全に下ろしたままの状態(焼香時などに邪魔になり、だらしない印象を与える可能性があります)
• 派手なヘアアクセサリーの使用

季節ごとの服装・髪型の注意点

季節によっても、服装や髪型で気をつけるべきポイントがあります。

夏場の葬儀:暑さ対策とマナーの両立

夏場の葬儀では、暑さ対策をしつつもマナーを守ることが大切です。

• 服装: ブラックフォーマルでも、通気性の良い素材(サップやジョーゼットなど)のものを選ぶと良いでしょう。ジャケットは会場に入るまでは脱いでも構いませんが、焼香時など儀式の最中は着用するのがマナーです。半袖のワンピースなども許容されますが、肌の露出は控えめにしましょう。

• 髪型: 汗で髪が顔に張り付いたり、崩れたりしないように、すっきりとまとめ髪にするのがおすすめです。アップスタイルやシニヨンなどが適しています。

• その他: 汗を拭くためのハンカチ(白か黒の無地)を持参しましょう。制汗剤を使用する場合は無香料のものを選びます。

冬場の葬儀:防寒対策とマナー

冬場の葬儀では、防寒対策が必要になります。

• 服装: ブラックフォーマルの下に、保温性の高いインナー(黒やベージュなど目立たない色)を着用したり、カイロを使用したりするなどの工夫をしましょう。コートを着用する場合は、黒や紺、グレーなどの地味な色のものを選び、会場に入る前にクロークに預けるか、畳んで手元に置きます。毛皮や革製のコートは殺生を連想させるため避けましょう。

• 髪型: マフラーや帽子を着用する場合は、会場に入る前に外し、髪型が崩れていないか確認しましょう。静電気で髪が広がりやすい季節なので、まとまりやすいようにスタイリング剤を軽く使用するのも良いでしょう。

まとめ

急な訃報で、何から準備すれば良いのか戸惑うことも多いかと存じます。しかし、葬儀における身だしなみで最も大切なのは、故人を偲び、敬う心です。マナーを守ることは、その気持ちを形として表すための一つの方法に過ぎません。

この記事でご紹介した内容が、皆様が落ち着いて故人をお見送りするための一助となれば幸いです。服装や髪型に迷ったときは、基本に立ち返り、「清潔感」「控えめさ」「故人への敬意」を忘れずにいれば、大きな間違いを犯すことはないでしょう。